タスマニアの東海岸の町、ビシェノー。ここで野性のペンギンの群れを見る事ができた。ペンギンの中では最も小さいフェアリーペンギン。小人ペンギンとかリトルペンギンとかも言うらしい。身長は40センチぐらい。9歳の息子の膝までもあるかどうかという背丈だ。
フェアリーペンギンはメルボルン近くのフィリップ島でも見られるらしい。ペンギンパレードと言って、日本の旅行会社のオプショナルツアーもある。他にはニュ−ジーランドの南の町、ダニーデンでも見られるそうだ。昨年の春、ニュージーランドを旅行した時には残念ながらペンギンを見る事はできなかったので、野生のペンギンを見るのはこれが初めて。
クレイドルマウンテンからの道中、お昼に休憩したロンセストンは半袖でOKだったのに、ビシェノーはずっと涼しく上着が必要だ。おまけに晴天率が高いとガイドブックに書かれていたのに曇り空。ペンギンがコロニーに帰ってくる夜の7時頃にはカッパを着ても寒いくらいだった。
我々が泊まったダイアモンドアイランドリゾートというモーテルは敷地内にペンギンのコロニーがある事もあってか、宿泊料にペンギンを見るツアーが含まれていた。チェックインの時にフロントでもらった券を持って集合場所の海岸に出てみると、10数人しか人がいない。そこにガイドさんが車でやってきて参加者から券を集めた。「え〜!これしか参加者がいないの?」野生のペンギンが見られるというのにこの人数は少なすぎ。もしかしてすごい穴場?
ガイドさんは大学生かな?という感じの若い男性。かなり早口でツアーの間、約1時間、ずっとしゃべり続けていた。ジョークも交えているようで、参加者から何度も笑いがおきた。最初の注意事項(ペンギンを触ってはいけない、ペンギンのくちばしは意外にするどくつつかれると大変な怪我をする、フラッシュ禁止等)まではなんとか聞き取れたが、その後はう〜ん、、、30%も聞き取れなかった気がする。
田舎町の海岸では懐中電灯が無いと足下すら見えない程暗い。しかし、懐中電灯を持つ事は禁止されていたので、ガイドが持っている懐中電灯が頼りだった。ガイドが海辺をサッと照らすと、10匹程のペンギンがピョンピョンと海から飛び上がって陸に上がってくるのが見えた。テレビのドキュメンタリー番組でよく見るシーンだ。かわいい!
我々はペンギンの一つの巣穴のすぐ側に立っていた。海から巣穴までは人間にはほんの10数歩の坂道だが、小さなペンギンには大変な道のり。懐中電灯で照らされるとペンギンもびっくりして立ち止まってしまう。中には海の方に引き返すペンギンもいる。そのためガイドは海からあがってくる集団を数秒照らすと、次には坂道を上がっている集団、といった具合に同じペンギンだけをずっと照らす事がないように気をつけているようだった。
1時間に100匹近いペンギンを見たと思う。一つの巣穴だけじゃなく、いくつもの巣穴を見せてもらった。ちょうどオシッコしているペンギンも見た。かなり近くで見れたものもいる。表情は目がするどくかわいいとは言えない。動物に詳しい息子が言うには、顔は南極にいるアデリーペンギンが目が丸く一番かわいいのだそうだ。
ツアーが終わった時に気がついたのだが、モーテルの横に観光バスがとまっている。我々と少し時間をずらせて、モーテルのよそからもペンギンを見るために人がやってきていた。私が話を聞いたガイドはこのモーテルの宿泊者だけのためのガイドだった。他にも二人ガイドがいた。
フェアリーペンギンは一番小さいだけでなく、一番うるさいペンギンだとも言われている。海岸のあちらこちらでペンギンの鳴き声が響いていた。朝方4時頃、ペンギンの鳴き声が聞こえたような気がして、パパを起こして二人で部屋の外に出てみた。真っ暗で何も見えないが、四方からペンギンの鳴き声がする。ギャーギャーとすご〜い音。ちょうど海におでかけの時間らしい。ペンギンは日が出ている間は海で餌を取って過ごす。「おーい出かけるぞ!」ってお互い呼び合っているようだった。
日が昇り、朝食前に海岸を散歩しようと外に出た。隣の牧草地の羊がみ〜んなこっちを向いて座っていた(笑)。羊はペンギンの鳴き声は気にならないのかなぁ〜?砂浜はペンギンの足跡でいっぱいだった。