タスマニアに滞在中、一匹の野性のタスマニアンデビルを見た。見た感じは黒い子犬。思ったよりかなり小さい。息子がロッジの売店で買った動物の本では体重はたった6、7キロ。しかし、肉食で、噛み付く力がかなり強いそうだ。
クレイドルマウンテンにいる間、ウオンバット、カンガルーは見ない日が無いくらい毎日見ていた。しかし、チェックアウトの朝までタスマニアンデビルには会えなかった。動物園に行けば、必ず見られるのはわかっている。しかし、こんなに野生動物が見られるんだから、動物園に行くなんて時間がもったいないよ、とパパ。タスマニアンデビルは見られないなぁ〜とあきらめていた最終日の朝食後、チェックアウトをするために私はフロントに向かった。しかし、クレジットカードを持っていない事に気がつき、駐車場に止めてあった車に取りに戻った。
すると、うちのレンタカーの横にちょこんとタスマニアンデビルがいるではないか!それを珍しそうに見ている人が数人。その人達を警戒するように、じっと固まっている。どうしようか?と考えているように見える。思った以上にかわいくて、思わず私もじっとみつめてしまった。うちの車の下をくぐり抜け、草むらに逃げ込んだ。これはチェックアウトどころでは無い。息子とパパに教えなくっちゃ!慌てて、フロント脇のソファでくつろいでいた二人に声をかけに行くと、前日に一緒にガイド付きウオークに参加したブリスベンのご夫婦の奥様が、私よりも先に「タスマニアンデビルよ!」とうちの息子を呼びに来てくれていた。皆で走って外に出ると、ずっと外で見ていたご主人の方が「あそこの草むらに隠れているよ」と教えてくれた。小さいタスマニアンデビルはウォンバットの好物の草の中にすっぽり隠れてしまってよく見えない。パパの肩車で、息子はようやく見る事ができ、デジカメをパチリ、パチリ。逃げさるタスマニアンデビルの後ろ姿をとらえる事ができた。「かわいい!」と大喜びの息子。ブリスベンからのご夫婦のご主人が息子のデジカメの画面を覗き込み、「上手なカメラマンだね。」と笑顔でほめてくれた。
チェックアウトをもう少し早く済ませてしまったら見る事はできなかっただろう。またもっとゆっくり朝食を取っていたとしても見る事ができなかっただろう。カモノハシもそうだが、ほんの一瞬、人間の前に出て来た野生動物に遭遇できるのは本当に運がいいと言える。
前日、ガイド付きウオークに行く時に乗ったバスに、私は双眼鏡を置き忘れてしまったのだが、その双眼鏡もみつかった。(双眼鏡という英単語がわからず辞書を調べようとしたら、なんと9歳の息子が教えてくれた。週に1回の英語スクールで習ったんだそうだ。息子に英語を教わるとは!嬉しいような情けないような、、、。)「良かったわね。ラッキーだったわね。」とスタッフの女性が笑顔で忘れ物の双眼鏡を手渡してくれた。双眼鏡に、タスマニアンデビル、「今日はついているぞ〜!」。3人で気分良く、次の目的地、ビシェーノへ向かった。